センターの軌跡

1964年(昭和40) 10月 語学ラボラトリーの設置

1979年(昭和54)7月 「LLセンター」に改名

2001年(平成13)4月 「言語教育研究センター」の発足

2002年(平成14)「目的別クラス選択制」の導入

同年 「福岡大学 言語教育研究センター紀要」、「ニューズレター」を発行開始

2003年(平成15)CALLシステムの導入

2017年(平成29)12月 共通教育センターと言語教育研究センターは統合され、教育開発支援機構内に共通教育研究センターを設置

従来の訳読中心の教育から音声を重視する語学教育を導入する目的で、本学に初めて語学演習室(LL教室)、録音室、ヒアリング・ルーム等で構成される「語学ラボラトリー」が設置されたのは1964年(昭和40)10月のことでした。
 その後「語学ラボラトリー」は充実・発展を遂げて、1979年(昭和54)7月には「LLセンター」と改称されました。さらに平成13年(2001年)4月には、「LLセンター」を統合する形で「言語教育研究センター」(以下「センター」)が発足し、今日に至っています。
 この新生のセンターには二種類の役割が与えられています。その一つは音声を重視した語学演習施設の管理および教育、研究に必要な教材開発や収集、機器類の維持など従来から継続して存在する役割です。それに学生の語学力向上のために外国語科目のカリキュラムや授業方法などの改革・改善を行なう新たな役割が加わりました。
 センターが対象にしている外国語科目は、現在のところ英語、ドイツ語、フランス語、中国語、朝鮮語、スペイン語、ロシア語と留学生対象の日本語の8言語ですが、今後はさらに増えることと思います。
 センターの名称に「研究」の文字が付いていますが、これはセンターが言語教育のプランニングとその実施に責任を負うだけでなく、そのよりよい推進のための研究を目指していることを示しています。研究成果の発表の場として「福岡大学 言語教育研究センター 紀要」が平成14年(2002年)から年1冊のペースで発行されています。また「福岡大学 言語教育研究センター ニューズレター」を発行し、ホームページを立ち上げてセンターの活動状況を報告しています。


研究・開発

CALLシステム開発と導入
 Computer Assisted Language Learning (以下、CALL)は、学習者が与えられたデジタル教材を使用して曜日・時限・教室という時空間の枠にとらわれることなく語学学習を進めてゆくという形態の学習方法です。
 言語教育研究センターでは、平成15年度から2・3年次生が受講する英語の授業でこのCALLシステムを導入し、この学習方法を駆使してリスニング能力の強化と学習した英語表現の定着を図っています。
 本学のようないわゆる「通学制大学」において、卒業要件単位数のうち、60単位までは従来の「対面授業」のみならずインターネットなどを利用した授業(一般に e-learning と呼ばれる)による単位取得が認められるようになりました。これに伴い、本学でも e-learning のインフラとコンテンツ作りが今後必要になってくると思われることから、「福岡大学CALLシステム開発に向けての基礎研究」というプロジェクトを平成15年度より発足し、このための研究を進めています。
CALL導入の必要性
 英語習得までに要する時間は、千数百~二千数百時間とされています。高校卒業までの英語そのものの学習時間が300~400時間といわれているので、大学の4年間で千~千数百時間の学習をしなければならないことになります。従来の学習方法ではこれに対応はできませんが、CALLの持つ「オンデマンド性」により学習時間を短縮するための学習効率が期待できます。CALLはこれまでの授業とは異なり、教師と学習者とが予め決められた時間に同じ教室で対面して学習をすすめていくことに重点を置きません。それによりいつでもどこでも学習者個人の利便性に合わせてCALL教材を駆使し、自分の理解度に応じて何度でも反復学習できることこそが最大のメリットになります。特に外国語を学習する場合、その理解と表出には反復練習が何よりも重要になるのです。
CALLでの教師の役割
 特に外国語学習で言えることですが、教室で講義するだけが教師の仕事ではありません。元来、学習の主体は学習者であり、教師は助演者なのですから、適切な自学自習教材を提供し、十分な動機付けを与え、タスクの目標がスムーズに達成されるように工夫します。学習者の学習状況を常に把握し、適切なアドバイスを与え、メンタルなケアまで含めたトータルな意味で学習者へのサポート体制が必要となってきます。そのため、電子メールを利用して学習者と教師との連絡を密に取り合うだけでなく、教師を含む学習者同士のコミュニケーションの場として電子掲示板を活用していきます。

英語教育について

「目的別クラスの選択制」の実施

「目的別クラスの選択制」の導入

 大学が1・2年次生を対象に行う「教養教育」は戦後生まれの制度のひとつで、1970年代には「一般教養」などと言われましたが、制度疲労を起こし空洞化が見られ、80年代になると中教審や大学審でこの問題がしばしば取り上げられることとなりました。90年代になると、大学は大衆化し、同時に大学における教育・研究も国際化、学際化、情報化が格段に進み、従来の教養教育の在り方そのものが限界に達したのです。この10年余りを振り返ると、大学設置基準の大綱化の波に乗って各大学での教養教育の見直しが顕著となり、教養教育大革命の時代に突入しました。
 本学においても「一般教養」を「共通教育」と呼称を変え、カリキュラムや教育メソッドの大革命が始まったのです。
 平成13年4月に本学は教学体制の刷新に取りかかり、学内機構の改革を断行し、この改革のひとつとして「言語教育研究センター」(以下、センター)が誕生しました。本学が開講する共通教育外国語科目には英語・ドイツ語・フランス語・中国語・朝鮮語・スペイン語・ロシア語・の7語種があり、これに留学生対象の日本語を加えた8語種の授業方法を、国内外の社会情勢の激しい変動を注視しながら、全面的かつ抜本的に見直して本学学生の語学力向上に大きく寄与することが、センターに課された役割であり、また果たすべき使命なのです。
 センターはその事業の第一弾として、「共通教育外国語科目(英語)」(以下、英語)の教育法研究をとり挙げ、現行のカリキュラムを徹底的に検証し、平成14年度から新たな制度「目的別クラス選択制」の導入による英語教育を全面的に実施して今日に至っています。

「目的別クラスの種類」

 1年次に開講する「フレッシュマン・イングリッシュ」、2・3年次に開講する英語「インターミディエイト・イングリッシュ」に各々3種類のクラスを設定しています。
 1年次では、フレッシュマン・イングリッシュⅠ~Ⅳを受講することで、3種類のクラスが全て受講できるようになっています。(Ⅰ・Ⅱのみ開講学科は1種類のみの受講となります。) 最も基礎であるリーディング&リスニング(R&L)クラスをFEⅠ・Ⅱで履修し、検定対策英語(ESP)とインタラクティヴ英語(IA)については両方のクラスをFEⅢ・Ⅳで履修することになります。 つまり、FEⅢでESPクラスを履修した学生はFEⅣでIAクラスを、FEⅢでIAクラスを履修した学生はFEⅣでESPクラスを履修します。
 1年次の後期には2年次に開講する「インターミディエイト・イングリッシュ」のクラス分けのために、プレイスメント・テストを実施して、受講したいクラスの希望を加味しながら2・3年次のクラスを決めていきます。
(医学部医学科は1年次生で「フレッシュマン・イングリッシュ(前期4単位)」、「インターミディエイト・イングリッシュ(後期4単位)」を履修しますので前期にプレイスメント・テストを実施します。)

フレッシュマン・イングリッシュ(FE)

一年次生 FEⅠ・Ⅲ=前期 FEⅡ・Ⅳ=後期 (医学部い学科はFEⅠ~Ⅳ=前期)

インタラクティブ英語(IA)

 単なる英会話のレベルを超えて、口頭でのコミュニケーションに必要な表現、トピック別語彙、会話のルール、異文化間コミュニケーションの知識から英語による議論や口頭発表の仕方まで学習します。なお、この授業はすべて英語で行ないます。

検定対策英語(ESP)

 わが国で実施される各種の英語資格検定試験のうち、特に社会的ニーズの高いTOEIC、TOEFL、STEP(英検)の受験を念頭に、実践的なトレーニングを中心に据えた授業を行ないます。

リーディング&リスニング(R&L)

 英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち、「読む・聞く」の能力養成を目指します。「読む」学習では、文章を読んでその意味するところを正確に把握し、概要や要点をまとめて書き手の意図を理解し、さらに、そのために必要な語彙の増強、文法力の強化、異文化に対する理解も図ります。「聞く」訓練では、さまざまなメディアを活用しながら英語を聞き、その概要や要点をとらえる能力を養成します。

インターミディエイト・イングリッシュ(IE)

2年次生以上 IEⅠ・Ⅲ=前期 IEⅡ・Ⅳ=後期 (医学部医学科は1年次生IEⅠ~Ⅳ=後期)

リーディング&ライティング(IE)

リーディングにおいては、英語の論理的展開方法を実感できるエッセイを読み、大学生にふさわしい思考力を身につけることを目指している。またはIT時代にふさわしい有意義な英文ウェブサイトの紹介や、英語論文の読み方の基礎を習得することも視野に入れる。ライティングでは、短いセンテンスからパラグラフ、そして比較的短いエッセイの書き方などへ進み、情報化の時代に求められる実践力、あるいは英語学術論文作成の基礎などの学習を目指す。

検定対策英語(ESP)

 Examination Skills の集中的訓練を通し、国際社会で必要とされる実用的かつ総合的な英語能力を養成していく。1年次での学習を復習しながら、さらに一歩進んだ内容を学習していくことになる。

※Examination Skill = 学術研究目的の海外留学を視野に入れたTOEFL、実用的英語能力のグローバル・スタンダードとなりつつあるTOEICなどの外部英語検定試験で測定される技能。

CALL&オーラルコミュニケーション(C&O)

IEⅠ・Ⅱ=CALL  IEⅢ・Ⅳ=オーラルコミュニケーション

 インターミディエイト・イングリッシュⅠ・Ⅱでは、学内外のパソコンを併用し、E-Learning教材の学習を通して、英語リスニング能力の強化と英語表現(チャンク)の定着を図る。また、Ⅲ・Ⅳでは、CALL教室などでのインタラクティブな学習活動を通して、英語オーラル・コミュニケーション能力の充実を図る。前者においては、特に電子掲示板上で連絡を取り合ったりするための基本的IT知識が必要であるが、予備知識が不十分な学生でも安心して参加できるよう配慮されている。