<センター長挨拶>

 福岡大学は、九州で最大規模の総合大学です。多くの学生と教員が集い、日々勉学に励み、様々な分野の研究を実施しています。環境保全分野でも、福岡方式と呼ばれる日本の廃棄物埋立地の標準工法を開発するなどの実績を積み上げています。

一方で、大学は事業所という側面があり、活動の結果、廃棄物や汚水など環境へ負荷を与える物質が発生します。有害な薬品を使用する場合は、環境を汚染しないよう、作業従事者の安全が確保されるように万全の措置を講ずることが必要です。

 環境保全センターは、環境保全を第一とする独立的立場で、教育研究活動や医療活動に伴う公害の発生を防止し、市民を含め関係者の生活環境の保全を図り、環境保全の向上に寄与するために平成5年に設置されました。

我が国は、足尾銅山鉱毒事件、イタイイタイ病、水俣病、四日市公害など各地で激甚な公害を経験し、規制・補償等の制度整備、技術開発、企業による公害防止投資などにより公害を克服してきました。しかしながら、現在、気候変動問題が人類の進歩に立ち塞がり、プラスチックの海洋汚染による影響が懸念されるなど、新たな環境問題に直面しています。

私は、令和312月に福岡大学環境保全センター長に就任しました。環境省で30年余勤務し、その間、3R(リデュース・リユース・リサイクル)施策の立案、ダイオキシン規制、農薬の環境規制等の環境行政や、環境事業団、水資源機構等における環境事業に携わりました。その経験を活かし、内部・外部の方々とのコミュニケーションを大切にしつつ、福岡大学の環境保全対策に尽くしたいと考えています。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

環境保全センター長 柳橋泰生(工学部教授)